エピソード1「変人の脅威」

イタダニウォーズ

皆様、初めまして。いただに工業で代表をやっている、板谷と申します。

弊社は呉市音戸町で溶接技術を駆使し様々なモノづくりのお手伝いをさせていただいております。特に造船など普通の溶接ではないようなものを得意として活動しております。

初めましてでこのような覇気のない表情をお見せすることになってしまい大変恐縮なのですが、普段バキバキの表情の私をこのような表情にさせることが先日起こりましたので、皆さんにも見ていただきたいと思います。

それが起こったのは、とある日の午後。。。

とある若造

すいません、板谷さん!ご無沙汰しております!僕です!

あ、鈴木君。久しぶりだねー。今日は何?なんかあったっけ?

彼は弊社のホームページ作成のお手伝いをしてくれた株式会社フォノグラムの社員の鈴木君。
新人ながらほどほどに、そこそこ頑張ってくれたような気がする、多分優秀な人です。

弊社のホームページが一風変わった雰囲気を醸し出しているのは、彼の企画を私が没にし、彼の上司の企画を採用したからに他ならない。

鈴木君

いやぁ、その節は色々お世話になりました。
今日は折り入ってお願いしたいことがありましてお伺いしたんですが。

はぁ、何でしょうか?

嫌な、予感しかしない。この株式会社フォノグラムは何かと訳の分からないお願いをしてくる会社なんです。。。

鈴木君

実はですね、今度弊社でこんなカートを購入して、お客さんと遊びたいなぁって思ってるんですよね!
そこでカートの改造を考えているのですがその溶接を板谷さんにお願いできないかなぁと。。。

はい、でました。意味が分かりません。
カート?遊ぶ?改造?弊社は造船とかやる会社ですよ?ホームページ担当なら業務内容分かってますよね?

あはは、鈴木君、分かってると思うけど、弊社は造船とかの大きくて厚い溶接をやるような会社だってわかってるよね?
それにカートの事もよくわからないし専門の業者に頼んだ方が良いよ。

鈴木君

いやいや(笑)社長、そんなことは分かってますよ。
一回これ見てください、さっきのカートをこんな風にしたいんですよね。

人の感情を逆なでするような表情で見せてきたのが、高級外車の写真。
あんなカートを高級外車に改造とかふざけている。

鈴木君、もう一回思い出して、うちが作ってるのは「お、ふ、ね」しかも「た、ん、か、-」巨大な奴!この写真!

鈴木君

いやいや(笑)社長。分かってますって(笑)遠目で見てください、似たようなもんですよ。
船も車も移動する乗り物ですから!

こいつは一体何を言っているんだろう?そしてなんてムカつく表情をするんだろう?
思考停止に陥りそうになった私に鈴木君が突然まじめな表情で語り始めた。

鈴木君

私には夢がある。
それは、いつの日か、私の会社で買った2台のカート達が、船かどうかでなく、乗り物ということによって溶接される会社に出会うという夢である。

まじめな顔でもふざけたことを言う奴だ。ただ、若い者が夢を語るのは悪い気はしない。

うーん、正直出来るかどうか分からん。やったこともないし、走行した時の空気抵抗とかも考えないといけないし。。。

鈴木君

社長、ホームページ作るときに言ってましたよね、「出来るかどうかより、挑戦する方が大事だ!」って。
いつやるの?今でしょ!
じゃ、次に僕の方で簡単なプロトタイプ作ってくるんで!また来ます!

そう言って勝手に帰っていきました。

本当に人の神経を逆なでする奴だ。ただ確かにいただに工業の社風は「挑戦!」である。
これが私をこんな顔にさせたエピソードです。次は何をもってやってくるのやら。。。

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